垂水からNAVIに従って走ると、国道から外れて山中の県道に入り込んでしまいました。すれ違うのも厳しい場所や、土砂崩れの復旧工事中の道です。Note搭載のNAVIを使いこなせずに、周囲10キロ程度の画面と地図を見比べながら走っていたのですが、南東方向に行きたいのに、北に向かって走っていたり、手持ちの地図に載っていないほど細い道に案内されてしまったりして、現在地すら見失い、とにかくNAVIを信じて走るだけになってしまいました。最後は志布志湾に出て、無事に都井岬にたどり着けましたが、かなり時間がかかりました。知らない道を走るのは好きなほうですが、それはあくまで地図を使って自分でルートを設定しているからこその快感であって、NAVIのいうなりに右に左に走っても全然楽しくありません。私にはハイテク機器より、地図とコンパスの方が向いているようです。
都井岬には天然記念物の野生馬、岬馬がいます。岬に通じる道の途中には「駒止めの門」があり、そこから先は馬優先の世界になります。馬も慣れたもので、道路脇で悠々と草を食んでおり、私達が車を停めて写真を撮っていても全く動じませんでした。ホテルの正面玄関脇にある池は馬の水のみ場になっているらしく、馬の親子が水を飲みに来ていました。ホテルの従業員さん曰く、夜、道路の真ん中に突っ立ったまま寝ている馬がいて、帰れずに困ったこともあるのだそうです。

都井岬はソテツ自生地の北限でもあるそうです。馬達の歯によって見事なまでに綺麗に草刈りされた草の上に、にょきにょきと大きなソテツが生えていました。「都井岬ビジターセンター うまの館」に行ってみると、親切なおじさんが展示内容を説明してくれました。岬馬は毎年春に全部集められ、子馬には番号が、全ての馬にダニ駆除薬が与えられるそうですが、それ以外は全く手を入れないのだそうです。40年間も馬を見守り続けている監視員さんもいらっしゃるとのことで、地元の方達の地道な努力でこの馬が守られていることがよくわかりました。